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【後編】AIエンジニアの将来性についてー市場価値を高めるには

2022/09/15

AIエンジニアの将来性について、前編では現在のAIエンジニアの需要と供給の状況や、今後需要が高まる業界、そして将来性が危ういと言われる理由についてお話ししました。
今回は、今後どんなAIエンジニアが市場に求められるのか、そしてどんなスキルを積む必要があるのかについて見ていきます。

特に今回は、「AI開発者」と「AI事業企画」に求められるスキルについて深堀りしていくので、「ITエンジニアからAIエンジニアへの転身を考えている」「どんなAIエンジニアが市場に求められるのか知りたい」と思う方は、参考にしてみてくださいね。

目次

  1. AIエンジニアは3つに分類される
  2. 「AI開発者」として市場価値を高めるには
  3. 「AI事業企画」として市場価値を高めるには
  4. まとめ

AIエンジニアは3つに分類される

「IPA(情報処理推進機構)」の「IT人材白書2019」概要によると、AIエンジニアは「AI研究者」「AI開発者」「AI事業計画」の3つに分類されます。

<AI人材の3つの分類>

※引用:「IT人材白書2019」概要

AI開発者とAI事業企画はエキスパートとミドルにレベル分けされていますが、どちらもミドルレベルに該当すれば市場価値は高いといえます。

AI研究者

大学や研究施設、GoogleやAmazonのようなGAFAを中心とする世界的な大手IT企業などで、AIに関連する学術分野の調査・開発に取り組み、学術論文を発表するほどの高度なAI技術の研究に従事する人材です。
機械学習やディープランニング、画像認識や音声認識、自然言語処理など様々なAIのフィールドにおいて、確率や統計理論に基づいて手法を構築したり、ルールをモデル化したりと最先端の研究に取り組みます。
海外では、欧米と中国のAI研究者が圧倒的に多く、AI人材の中でもごく限られた人材になります。

AI開発者

企業にとって重要な役割を担うのが、「AI開発者」と「AI事業企画」です。
「AI事業企画」がAI技術を用いて新たな製品やサービスを企画し、導入に向けて働きかける役割をするのに対し「AI開発者」は、その企画を実際に実装し、システム開発をしていく立場になります。いわゆる企業の機械学習エンジニアやデータサイエンティスト、データアナリストが該当し、ITエンジニアから転身する人が多いのもこのAI開発者になります。
AI技術の開発に必要なプログラミングやフレームワーク、ライブラリを活用してAI技術を搭載したシステムやソフトウェアを開発していきます。また、製品やサービスを使うユーザーのニーズ、業界知識を踏まえて製品開発を行う必要があります。

AI事業企画

「AI事業企画」は、AI技術を企業に導入するために、新製品・サービスの企画、導入、そして時には保守・管理まで対応するような、AI技術を活用して新たな市場価値を生み出す人材です。 どんなに精度の高いAI技術があっても、それが市場に活用されなければビジネスにつながりません。AI技術と企業の特長を組み合わせたサービスや製品を開発し、市場に売り出すきっかけを作るプランナーとして重要な役割を担います。 また、DX推進の流れを受けて「何からDXを始めればよいかわからない」という企業も増えています。そういった企業の現状を分析し、AI技術を用いてどのように改善できるかを提案していく、コンサルタントのような役割も担います。

「AI開発者」として市場価値を高めるには

まずはAI開発者の仕事内容や、求められる技術についてお話しします。

AI開発者の仕事内容

<AI開発者の仕事の流れ>

1. リサーチ
2. アルゴリズム、学習モデルの開発
3. PoC 検証
4. AIの開発
5. データ解析、システム開発
6. 運用・保守

リサーチでは、AI事業者が提案した企画を実現するためには、どんなAI技術が活用できるかを情報収集していきます。その後、AIが指示どおりに動くようにアルゴリズムとモデルの開発を行います。ここでは、新しいモデルを作るだけでなく、既存の製品のモデルを横展開することもあります。
その後、PoC検証(実証実験)を行い作成したモデルが企画やコンセプトに沿ったものになっているかを確認し、製品化が決定したら開発に進みます。
製品やサービスをリリースした後も、随時不具合の修正や仕様の変更に対応します。

AI開発者として市場価値を高めるには

AIに関する基礎知識は前提条件

AI開発者は、統計学・数学の基礎知識やAIの概念はもちろん、AI技術で最もよく使われるプログラミング言語のPythonのほか、データサイエンス・データベースの知識、機械学習・ディープランニングの知識を保有していることは前提条件となります。
さらに、機械学習でいえばNumpyやscikit-learnといったライブラリの知見も必要です。

ITエンジニア×AI技術で差別化を

AIエンジニアに興味がある方の中には「機械学習エンジニアとして活躍したい」「データサイエンティストの業務に集中したい」などと特定の分野に特化したいという方もいるかもしれません。
ただ、AI技術をビジネスとして価値を生み出すには、PDCAを効率良く回すためのパイプラインの自動化や、モデルの精度を上げるためのデータ前処理など、周辺領域への知見も必要になってきます。
例えば、Webアプリのサーバーサイドエンジニアとして活動している方や、クラウドエンジニアとして実務経験があるなどと、ITエンジニアとしての開発経験がある方であれば、現場で柔軟に対応できます。
現場に役立つ実務経験を保有していれば、AI技術を習得しながらAI開発の現場に携われる可能性が高まります。

最新技術のインプットとアウトプットを続けること

急速に進化を続ける最新技術へのキャッチアップは欠かせません。特に海外の情報は常にチェックしておきましょう。
ICML(機械学習に関する国際学会)やAAAI(アメリカ人工知能学会)などの国際会議で発表される内容をチェックしておくと、海外のAI技術の最新情報を得られます。
国内でも、JDLA(日本ディープラーニング協会)や、人工知能学会から随時最新情報をチェックできます。加えてクラウドに関する知見は、どのIT開発の現場でも求められます。
また、学んだ技術や情報は、アウトプットすることで自身の知識として落とし込むことができます。AIエンジニア向けの代表的なサイト「Kaggle」では、サイト内で課題に取り組みながらスキルアップできるので、ぜひ活用してみてください。

資格の勉強も役立てよう

即戦力が求められるAI開発の現場では、資格を保有していれば必ずしも有利というわけではありませんが、独学に役立てることはできます。

ジェネラリスト検定(G検定)

ディープラーニングの基礎知識をもち、ビジネスで適切に活用する能力があることをはかる試験です。AIを体系的に幅広く学ぶことができるため、これからAIエンジニアになるための準備を始めたいという方におすすめです。

エンジニア資格(E 資格)

AIの一般知識や応用数学、機械学習のほか、プログラミング言語を使って実装する能力まで問われるので、ジェネラリスト検定より難易度は高くなります。
受験するためには、JDLAの認定プログラムを2年以内に修了する必要があります。

Python3 エンジニア認定データ分析試験

Pythonに関する資格は、基礎知識を問う「Python3エンジニア認定基礎試験」と難易度が高めの「Python3エンジニア認定データ分析試験」があります。
後者は、Pythonを使ってデータ分析をするために必要な知識や分析方法のほか、数学やデータ解析の知識まで問われる上級者向けとなります。
すでにPythonの使用経験があり、これから本格的にAI開発に携わりたいという方におすすめの資格です。

「AI事業企画」として市場価値を高めるには

今後、IT企業に限らずAI技術を活用する企業は増えていきます。
そのため、いずれ経営者や営業職、マーケティングなどあらゆる立場の人が「AI事業企画」として、AI技術を活用したシステムやサービスを発案していくスキルが求められるようになります。

AI事業企画の仕事内容

AI事業企画は、AI技術の活用方法を企画・提案して、企業の課題の解決・生産性の向上、新製品やサービスを生み出し企業利益を生むといった目的を達成するという役割があります。
「そもそもAIでは何ができるのか」「どういった強みがあるのか」「弱みは何か」といったAIの定義を認識し、過去の活用事例や成功事例と比較して、自社や顧客に導入方法を提案します。

AI事業企画として市場価値を高めるには

企業の課題を解決するための課題解決能力や企画力、提案力、ユーザーのニーズを探るためのマーケティングに関する知見、そしてAI技術の使用事例や最新技術についての知見に対して長けておく必要があります。

AI技術に関する幅広い知見は必要

コスト削減や業績拡大、新規事業の提案には、ビッグデータの活用や分析・予測結果は欠かせません。データの扱い方や活用方法についてある程度把握しておく必要があります。
また、AIの特性に合わせたフロントエンド・バックエンド処理をするために、AIに関する知見とその周辺領域に関する知見があると有利です。
こういった知見があることで、自社の強みやノウハウと先進技術の融合という、他社に無い優位性を生み出すことができます。

IT技術のトレンドに詳しくなること

AI開発者にはプログラミングの知識や先端技術の使用経験が必要ですが、AI事業企画に関わる人材は必ずしもそうではありません。 今では、プログラミング不要のAutoMLやノーコードなどが続々と開発されているので、AIの基本的な概念が理解できていれば開発者と連携して計画を進めることができます。 その代わり、先進技術やトレンド、クラウドなど、開発を効率的に進める手段や情報に詳しくなっておくと役立つでしょう。

UX・UI志向と「5W1H」の考え方を習慣に

ユーザーに愛されるサービスを提供するために、優れたUX・UIは不可欠です。ユーザーの行動を調査・分析してニーズを汲み取り、それに応えるサービスを生み出す「顧客中心」の考え方は、デザイナーだけでなく全ての職種に必要な観点です。
また、企業の課題や新規事業について考えるときには、漠然と「AIで何ができるのか」を考えるのではなく、5W1Hで考えると明確に順序立てて取り組むことができます。

<AIの活用を5W1Hで考える>

・WHO:誰のためのAIか?
・WHY:なぜAIが必要か?
・WHICH:どのタイプのAIか?
・WHAT:どんなAIか?
・HOW:AIと人でどう分業するか?
・WHEN:いつまでにどうつくるか?

DXが進んでAI技術の導入が進むと、エンジニアでなくてもAIに関してある程度の知識を持っておく必要があります。 開発者としてエンジニアに特化していくよりも、プロジェクトマネジメントやチームリーダーとしてメンバーをまとめる仕事や、市場のニーズを探るマーケティングのようなビジネスに特化していきたいという方は、AI事業企画にやりがいをもって携わることができるでしょう。

まとめ

後編の記事では、特に「AI開発者」と「AI事業企画」の役割や求められるスキルについてお話ししてきました。
現在、経済産業省のサイトでは「巣ごもりDXステップ講座」として、2022年12月末まで「機械学習のためのPython入門講座」や「データサイエンティスト入門」「Python入門」など多くの講座を無料で公開しています。
他にも、多くの動画サイトでは無料でプログラミング技術を学ぶことができます。
誰でも手軽にIT技術を学ぶ機会が得られる今、「Pythonを扱える」「機械学習について知識がある」といった特長だけでは、AIエンジニアとして長く活動を続けるのは難しいといえます。
これからは、AI技術を扱えるだけでなく、それをビジネスに活用し製品として売り出していくことができる人材が求められます。
「どんなAIに関わる案件があるのか知りたい」という方や、「今あるAI技術で携わってみたい業界がある」などと相談したいと思ったら、エージェントを活用してみてください。

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