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フリーランスエンジニアの実態・現実

2022/09/09

エンジニアには、正社員で働く場合や案件ごとに携わるフリーランスとして働く場合など、様々な働き方があります。 その中でも、自由度が高く高収入イメージの強いフリーランスを希望する方も多いと思います。 ただ、巷では「辛い、厳しい」「収入UPしない…」という声も聞かれ、不安に思う方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、実際にフリーランスエンジニアとして活躍する方のリアルな実態と、エージェントから見る「こんな人は要注意!」というフリーランスエンジニアに向いてない人についても言及します。 ぜひご自身が、フリーランスエンジニアに向いているのかどうか、確認してみてください。

目次

  1. フリーランスエンジニアは厳しい?
  2. フリーランス・正社員それぞれのメリットデメリット
  3. フリーランスエンジニアに向いてる人向いてない人
  4. フリーランスエンジニアになるには
  5. まとめ

フリーランスエンジニアは厳しい?

フリーランスエンジニアが厳しい、辛いと言われるのはなぜでしょうか。 ここで実際に厳しい場面に直面しているフリーランスエンジニアの例を紹介します。

【フリーランスエンジニアAさん 48歳の例】
・業務系Javaエンジニア
・リーダー経験は無く、基本設計~経験が少しあり
・フレームワークの経験はほとんど無い
・開発より保守がメイン
SIer系で案件を探すも、この年齢で保守以上の経験が無く上流経験やPL経験も無かったため、単価50万円の案件でも成立に至らず。

Aさんは、結局低単価案件でも成立にならず、エージェント側にとっても「厳しい…」の一言でした。 実際こういったエンジニアは多く、「スキルが少ない・経験が少ない・高齢年齢とスキルが見合っていない」と三拍子揃ってしまうと、案件はかなり絞られ、単価50万円以上はまず望めません。 独学の質と量が明暗を分けるエンジニアにとって、スキル不足と経験不足は命取りです。

フリーランスエンジニアの単価、年収の相場は?

エンジニアの年収をフリーランスと正社員の場合とで比較してみましょう。

<エンジニア平均年収>

エンジニア職種
正社員エンジニア
フリーランスエンジニア
システムエンジニア(SE)
約569万円
約876万円
プログラマー
約426万円
約840万円
Web系エンジニア
約450万円
約500万円

※参考サイト:https://freelance.levtech.jp/guide/detail/111/
※参考サイト:https://www.bigdata-navi.com/aidrops/3046/

報酬は職種によって変わりますが、フリーランスエンジニアになると1.5~2倍は収入が上がるといえます。これは上流にいくほど、あるいはフルスタックになるほど振り幅は大きく、多い方だと年収1,000万円を超えるフリーランスエンジニアもいるようです。
ただ、フリーランスの場合は、所得税・住民税・国民健康保険・国民年金などを自分で払う必要があるため、年収500万円なら手取り年収は300万円ほどに、年収1,000万円なら手取り年収は600万円ほどに下がることも。
およそ、報酬に対して6~7割程度が実際に手元に残ると考えておくといいでしょう。

フリーランスは自由って本当?

フリーランスになって勤務時間も勤務場所も全て自由かというと、そうではありません。
リモート可能案件だとしても、「勤務時間は定時通りに」「いざというときには現場に出向できることが条件なので、遠方からの参画はNG」などと制限付きの案件は多いのが実情です。
ただ、フリーランスは自分で案件を選べるので、正社員のように専門外の業務を担当することはありませんし、この1か月は仕事をしないで休む!ということも可能です。
また、スキルアップのための参考書や資格取得費用も経費として扱えるため、納税額を調整できる点は自由度が高いと言えるでしょう。

フリーランス・正社員それぞれのメリットデメリット

ここで、エンジニアが正社員で働く場合と、フリーランスになる場合のメリットとデメリットを比較してみます。

正社員の場合

エンジニアが正社員で働くことの一番のメリットは、実務未経験でも雇用してもらえるという点です。プログラミングスクール等である程度の知識があれば、社内の研修制度を利用したり、先輩に業務を教わりながら働けるのは最大のメリットです。
他に、会社の社会保険制度を利用できる、正当な理由が無い限り簡単には解雇されず、給与面で安心、といった点もあります。

また、メガベンチャー企業に限りますが、名だたる有名企業に就職できた場合は、社内の優秀な人材と人脈が作れるということ、「あの企業で正社員として働いていた」というネームバリューが付く、というメリットがあります。
一方で、新しい技術を使ってみたくても、社内で導入不可となれば使えないですし、分業制になっている現場だと業務範囲が限られてエンジニアとしての成長が望みにくい、といったデメリットはあります。

フリーランスの場合

フリーランスになると、会社員のように福利厚生等の天引きが無く、社内の賃金体系の影響も受けないため、高収入を得やすいというメリットがあります。
また、案件を選べるので自由度が高く、使用したい言語に合わせて案件を選ぶなど、自分のキャリアプランに合わせて早くスキルアップできるという点も特徴的です。

ただ、その分収入が安定せず、クライアント先の都合で急遽契約終了になるケースがある、税金・保険処理を全て自分で行う必要がある、労働基準法の保護を受けられず、仕事が無くても失業保険等も無い、といったデメリットがあります。
そして即戦力重視なので万が一スキル不足だった場合、報酬減額を言い渡されるなどシビアな面も。
正社員とフリーランスそれぞれでメリットとデメリットがあるので、目的に合わせてお互いを行き来しているエンジニアもいます。

フリーランスエンジニアに向いてる人向いてない人

次に、フリーランスエンジニアとして向いているかどうかをチェックしてみましょう。

フリーランスエンジニアに向いてる人

・環境の変化を好む人
・一人でもモチベーションを維持でき、自己管理ができる人
・プログラミングが好きでライフワークと思える人

フリーランスは案件単位で動くため、正社員のときと比べると働く環境は流動的です。現場によって異なる経験が得られることを楽しめる人はフリーランスに向いているでしょう。
また、自分で立てたキャリアプランに沿ってキャリアアップしていくためにモチベーションを維持できるかどうかも重要です。
特にWeb系エンジニアの場合、使用する言語の進化は早くトレンドも流動的です。そういった情報を敏感にキャッチし独学で構築してみる、使ってみるという努力を怠ると、どんどんエンジニアとしての価値が下がってしまいます。
エンジニアの中には、業務以外に1日5時間以上勉強している方も少なくありません。
プライベートを犠牲にしてまで独学に打ち込めるくらいにプログラミングが好き、という人はフリーランスエンジニアに向いていると言えるでしょう。

フリーランスエンジニアに向いてない人

・安定志向で孤独が苦手な人
・実務未経験の人
・自己管理が苦手な人

フリーランスになると、案件ごと、数か月単位で勤務先が変わります。案件が終了すれば一緒に働いていた人と疎遠になってしまうことあり、それが寂しい、孤独に感じるという人はフリーランスに向いていないでしょう。
また、プログラミングスクールに通っただけ、独学で習得しただけで実務未経験の方がいきなりフリーランスになるのは至難の業。
実務経験1年以上がある人から登録可能としているエージェントもあるほど現場での経験は必要なので、最低1年間は正社員として勤務した方がいいでしょう。
他にも、プライベートを犠牲してまでエンジニアの勉強をしたくない、今あるスキルだけでなんとか仕事を続けたい、という人はエンジニアとしての価値をアップデートできずフリーランスとして続けることは難しいと言えます。

エージェントから提言!こんな人は要注意

ここからは、多くのエンジニアと企業を繋いできた「エージェント側から見た実情」についてお話します。

書類選考で見られるポイント

正社員雇用の場合、転職回数が多い・空白期間が長いといった人は書類選考で省かれる傾向がありますが、それはフリーランスエンジニアも同様です。
短期間で案件を変えている人やちょこちょこ空白期間がある人は印象が悪くなりがち。
「この言語を使用したいから短期間案件を選んだ」といった明確な理由があるなら良いですが、「この人はプロジェクトの途中でいなくなりそう」という恐れがある人は避けたいと思うものです。
また、業務経験が浅い分野で応募するときは「今まで携わった案件ではどのように貢献したか」「どう考えて取り組んだか」といったストーリーをもって熱意を伝えられるといいですね。
スキルシートは重要な判断材料です。たった一行で済ませてしまう方もいますが、クライアントにとっては単価数十万もの案件。これを雑に書いてしまうと、まず省かれます。
商品の売り込みをするように「他と比べて何が勝っているのか、どう役立てるのか」を丁寧に書くことを心がけましょう。

『転職ドラフト』というサイトを使うと、登録した業務経歴の審査を通過した人に限りますが、実際のスキルシートを添削し、改善点を指摘してくれます。
フリーランスエージェントも、スキルシートを添削して強みをわかりやすく書くコツを提案してくれるところもあるので、積極的に活用してみてください。
採用活動の経験が豊富な方からの客観的なフィードバックを貰える機会は貴重ですので、そういったサービスは積極的に活用しましょう。

面談時に聞かれる質問とは

「スキルシートでの反応は良かったのに、面談した結果がNG」と人柄・コミュニケーション力に不安があって選考に落ちる、というパターンも多くあります。
以下は、実際の面談の現場でよく聞かれている質問です。あなたはどのくらい具体的に答えられるでしょうか。

「今まで関わったPJにどんな風に取り組まれましたか?また、自ら提案されたことはありますか?」
「現場でどういった理由でアーキテクチャ選定を行っていたか分かりますか?」
「普段、どんな自己学習をしていますか?参考にしている書籍や情報源は何ですか?」

今ある技術だけで満足していないか、自主的に技術に関する知見を深めているか、積極的にプロジェクトに関わってきたか、などが聞かれています。
「特に何も」と答えた時点で即・選考落ち決定と思っておきましょう。

また、意外と見落としがちなのが、外見です。在宅案件だったとしても面談時の服装や雰囲気は重要ですし、デザインセンスが求められる現場では、なおさら外見も重要です。
最低限、清潔感のある外見を意識しましょう。

スキル重視といえど勤務期間・勤務態度・人柄も大事

めでたく選考を通過し勤務開始となっても、本人が続けられない、クライアントから延長を断られる、といった事態も生じます。
クライアントによると「スキルは高いが、定期的に休んでしまう。エンジニアの勤務態度がいまいち…」という場合も多く、勤務態度の悪さで印象を下げているケースもあります。
「自分はコミュニケーションがあまり得意でない」と感じるなら、せめて勤怠はしっかりする、相手の意向を受け入れる姿勢を見せる、といった工夫は必要です。
また、周囲に配慮せず自分の都合ばかり優先する、少しでも思い通りにならないことがあるとすぐ現場を抜けてしまう方は、続けられずに逃げグセがついてしまうことも。
フリーランスといえど、3か月以内で案件を転々としてしまうと、経歴に傷がついてしまいます。せめて3か月、あるいは半年は同じ現場で頑張りましょう。

当てはまったらいますぐ改善!こんな人は正直厳しい4つの条件

・モダンな環境での経験・上流経験が無い
・コミュニケーション力が著しく低い
・向上心が無い
・短期案件が多い

年齢にもよりますが、上記4条件に当てはまるエンジニアは収入UPが難しいだけでなく、紹介できる案件も限られます。クライアントにとっても「このスキルで報酬UPをって言われても…(苦笑)」と思うことも多々あります。
経験が少なくても自ら補おうと勉強に励んでいる方や、話下手でも一生懸命に熱意を伝えようとしている方、自分のスキルや経験をちゃんと客観視できている方なら、応援したくなるものです。ぜひ参考にしてみてください。

フリーランスエンジニアになるには

エンジニアの方がフリーランスになるには、どのような準備が必要なのでしょうか。また、「どのタイミングでフリーランスになるのか」「人脈が無いと案件獲得はできないのか」など、フリーランスに転身しようとしたときに生じる疑問について、お話していきます。

フリーランスになるタイミングについて

1年でもエンジニアとして実務経験があれば、フリーランスに転身は可能です。
ただ「高単価案件を獲得できるかどうか」はその1年間の過ごし方によって変わってきます。

スタートアップのWeb開発企業などで新規から開発ができる現場で、幅広い業務経験を積み社内で成果を出していること、そしてスキルセットもしっかり習得できていることが、できていれば、高単価案件を獲得できる可能性が高まります。
ただ、高単価案件を獲得できる方は、エンジニアのコミュニティに参加して、プログラミング大会に参加したり、副業でモダンな言語を扱える案件を受注して使用経験を積んでいるなど、自身で技術のブラッシュアップを続けています。
単に、1年間でも会社員エンジニアとして働いていれば、すぐ案件獲得につながるわけではないので注意しましょう。

また、人脈が足りないと感じている方は、メガベンチャー企業に正社員として就職して人脈を広げてからフリーランスになる、という道もあります。

案件を獲得するには

人脈が無いと案件を獲得できない、と考えている方も多いかもしれませんが、エージェントを活用する手もあります。
むしろ「正社員として働いているうちにエージェントに登録して案件獲得の見込みがついたら、フリーランスとして独立できる」と判断するのもありでしょう。
ちなみに、エージェント選びも重要です。
「有名なエージェントだから」「高単価案件があるか」「今あるスキルでできる案件だから」といった基準で選ぶ方も多いですよね、
有名な大手エージェントだと、登録しただけで終わってしまったり、自分の志向を理解されずにミスマッチが生じたりすることも。
まずは、自分のキャリアの棚卸しをしたあと、今後のキャリアプランをもとに「自分がやってみたい案件」かどうか、担当者が親身になってくれるか、というポイントでエージェントを選びましょう。
エージェントは仲介料が発生しますが、営業するのが苦手な方やキャリアプランや案件について相談したい方、税金処理などについても相談したい方などにはおすすめです。

正社員のうちにするべき準備とは

ここからは、フリーランスになる前にどんな準備をするべきかをお話していきます。

<フリーランスになる前の準備一覧>
ー生活面の備えー
・資金を貯めておく
・リスクに備える保険等に加入
・クレジットカード、賃貸契約など
・国民保険、年金、納税等の準備

ーキャリアアップのためにー
・キャリアの棚卸し、キャリアプラン作成
・アウトプット(名刺、ポートフォリオ、自分のメディアGitHubやQiita、Twitter、Facebookなど)を作成
・副業や取引先など、ある程度の案件の保持

生活面の備え

エンジニアに限ったことではないですが、フリーランスになると収入が安定しない・カードを作りにくい、保険・税金関係を全て自分で行うのが大変、といったデメリットが生じます。
フリーランスとして長く活動している方との人脈を作ったり、ネットで調べたりしながら、正社員であるうちに準備しておきましょう。
確定申告のソフトをエージェント登録の特典にしているところもありますし、フリーランス協会に登録しておけば、病気や事故等で働けなくなったときフォローしてくれる保険に加入できます。

キャリアアップのために

キャリアの棚卸しは、正社員であっても必要かとは思いますが、自分のエンジニアとしてのスキルレベル、今後やってみたいジャンル、方向性など、スキルシートのブラッシュアップは常に必要です。
そして、今では未経験分野の技術でも独学で構築できるので、積極的にモダンな技術の習得に励みましょう。その成果をGitHubなどにアウトプットしておくと、面談のときのアピールポイントになります。
また、エンジニアとしての知識や経験について、Qiitaのようなエンジニア向けのプラットフォームや、TwitterなどのSNSにもアップしていきましょう。
アウトプットを続けていると、それを見た企業から案件のオファーが来ることもありますし、エンジニア同士で交流ができたりもするのでおすすめです。

まとめ

今回は、フリーランスエンジニアの実態について、エージェントから見たリアルな実情を紹介しつつお話してきました。
「フリーランスエンジニア=高収入」というイメージが先行していますが、高収入を得るためには自主的に情報収集を欠かさない、自己学習を続けるといった努力が必要です。
エンジニアは他の職種と比べても、自己学習のに必要な時間は長く、競争も激しい職種です。ただ、ライフワークとして最新技術の習得を楽しめる方には最適な職種です。
今のキャリアではどんなスキルを習得すればいいかな?他のエンジニアの職種も経験してみたい、などと誰かに相談したいと思ったら、ぜひエージェントも活用してみてください。

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