エンジニアに必要なコミュニケーション能力ー企業が見るポイントとは
2022/09/15
「エンジニアにコミュニケーション能力は必要?」
エンジニアの方にとっては、一度は気になる事柄ではないでしょうか。
「高いプログラミングスキルがあれば、コミュニケーション能力は不要」と思う方もいるかもしれません。
しかし、エンジニアの方にコミュニケーション能力は必要です。
ただ、ここでの「コミュニケーション能力」は、いわゆる世間で使われているものとは少し異なります。
今回は、エンジニアの方に求められるコミュニケーションについてお話しするとともに、コミュニケーション能力を上げる方法についてお話しします。
エンジニアにコミュニケーション能力は必要?
プログラミングは1人で黙々と作業を進めるイメージが強いかもしれませんが、コミュニケーション能力が必要な場面は往々にしてあります。
エンジニアに必要なコミュニケーション能力とは
一般的にコミュニケーション能力とは、人見知りせず初対面の人ともすぐに打ち解けることであったり、話術が長けていてプレゼン能力が高いこと、誰とでも仲良くできることなどと捉えられていますね。
エンジニアに求められるコミュニケーション能力は、それとは少し違います。システム開発の現場では、チームになって開発を進めていくことが多いため、他のメンバーに配慮してコミュニケーションを取れることが重要です。
また、要件定義の工程では、クライアントの要望を聞きながら設計書を作っていきます。ここでは、相手の立場と要望を理解し、最適な解決策を提案するためのコミュニケーション能力が必要になります。
コミュニケーション能力が求められる場面
SIerでもWeb開発でも、チーム開発が基本
エンジニアは、SIer企業やWeb開発企業で働く場合や、SESで客先に常駐する場合など、様々な働き方がありますが、どの現場でも、プロジェクト単位でチームを組み、開発を行うことがほとんどです。
チーム内のスケジュール管理や進捗情報の共有、コードの内容確認といったやりとりを適宜行い、プロジェクトを進めていきます。
特に進捗状況の確認と、チームの目標との擦り合わせは非常に大切です。コード内のコメントの記述ルールやコードレビュー、バグが出ないように記述していく工夫など、メンバー同士で随時擦り合わせしていく必要があります。
対クライアントでは相互コミュニケーション能力が重要
「相互コミュニケーション能力」とは、相手から得た情報を正しく理解し、必要な情報を相手にわかりやすく伝える能力のことをいいます。
要件定義では、クライアントの要望を正しく理解できていなかった場合、求められるものと異なるものが出来上がってしまう可能性があります。相手の発言の意図をくみ取り、立場や置かれている状況を理解したうえで、適切な提案ができなければいけません。
独立するにはレベルの高いコミュニケーション能力が必要
正社員エンジニアとして働いている方は、将来的にフリーランスになりたいという方もいますよね。
フリーランスは自由に働けるイメージが強く、「コミュニケーションが苦手だから実装に集中するために独立する」という方もいるかもしれません。
ただ、フリーランスエンジニアとして活動していくのであれば、高いコミュニケーション能力が無ければ案件を受注し続けるのは難しいでしょう。
正社員として勤務している間は、キャリアアップのために上司が新しい現場に参画させてくれることもあるかもしれません。しかし、独立すると自分でキャリアプランを練り、それに沿った案件選びをしてキャリア形成をしていかなければいけません。自分で人脈を広げたり、企業に自分のスキルをアピールしたりできなければ、新しい案件に参画するチャンスに恵まれにくいでしょう。
現場でエンジニアに求められるコミュニケーション能力とは
ここからは、PLや採用担当の方が、エンジニアの方に求めるコミュニケーション能力について説明していきます。フリーランスの方やこれから転職活動をしようと思っている方は参考にしてみてください。
企業に実際に面談で聞かれるコミュニケーション能力
面談では、コミュニケーション能力に関わる事柄で、以下のことが聞かれています。一度は聞かれたことがある質問なのではないでしょうか?
<案件面談で聞かれるコミュニケーション能力>
Q. チームでの作業経験はありますか?
Q. コードレビュー経験はありますか?
Q. 在宅勤務の経験は?進捗方法の仕方、苦労したことは?
Q. 自分から現場や顧客に提案をした経験はありますか?
「チームでの作業経験」や「コードレビューの仕方」に関する質問では、チームの他のメンバーを尊重しながら仕事ができる人かどうかが見られています。
また、在宅勤務が多い現場では、進捗状況や業務連絡をきちんとできることも重要です。
そして、これまで上流工程の経験が無かったとしても、「どのようにこの設計が組まれたのか」「もっと効率的な技術を活用できないか」と意識しながら参画できている方はその積極性が評価されます。
チームメンバーを尊重し、信頼関係を構築する力
チームで開発に携わる以上、メンバーを尊重する意識がないとチームが成り立ちません。
特に、メンバーが書いたコードをレビューをするときには、伝え方に気を付ける必要があります。
修正が必要な箇所があったとしても、頭ごなしに否定したり、勝手に修正を加えたりしてしまうと、相手のモチベーションを下げてしまいます。それでは雰囲気が悪化してしまい、チームが成り立ちません。
そういった配慮ができる人かどうかは、チームリーダーが最も気にするポイントでもあります。
また、開発の途中で仕様の変更や修正が必要になることは珍しくありません。そのときに、コードを書いた本人しか対応できないというのは効率的ではありません。
他人が見てもわかりやすいコードやドキュメントが書けるかどうか、そして他人が書いたコードを書き換えるときに、滞りなく引継ぎが行えるかどうかは重要です。
どの企業や開発現場であっても、相手に配慮した行動ができる方と「一緒に働きたい」と思うのは当然のことですよね。
自主的に提案型の質問をする力
小規模の開発現場では、細かい仕様が決まっておらず、「こういうものを作ってほしい」と100%伝えられない場面が多くあります。
細かく仕様を説明しなくても、大まかな説明をすればプロジェクトの概略を理解し、適切に進められるような対応力のある方が求められます。
それは自分の思うままに進めて良いというわけではなく、欠けている情報について適切なタイミングで質問し、自主的に手を動かしていけるということです。そういった質問をせずに、求めるものと全く違うものができてしまうと丸損になってしまいます。
そして、人によって物事の感覚や価値観が異なるため、相違点をすり合わせしていくことも重要です。
例えば、「できるだけ早くお願いします」と言われて、その日のうちならいいのか、それとも2時間以内で仕上げた方がいいのか、あるいは今週中ならいいのかは人によって感覚が違いますよね。
そんな時に、「いつまでにすれば良いかか明示してください」と質問するのではなく、「後の工程を考えると、今日中に仕上げた方がいいですよね?」と提案型の質問ができるとPLの負担を減らせるでしょう。
対クライアントでエンジニアに求められるコミュニケーション能力とは
次に、クライアントとのやりとりで必要になるコミュニケーション能力についてお話ししていきます。
相互コミュニケーション能力
先ほども少し触れたように、「相互コミュニケーション能力」とは、クライアントが抱える課題を正しく理解し、解決策をわかりやすく伝える能力のことを言います。
ここには、ヒアリング力や理解力も含まれます。
相手の立場にたち、価値観や環境を理解したうえで最適なものを提案できれば、クライアントの信頼を得られます。
このとき、相手にヒアリングを行いながら無意識に頭の中で反論したり、自分の立場で物事を考えてしまったりしないように注意しましょう。
提案力
クライアントには、「今後のメンテナンスコストを考えて、効率的な技術を使ってほしい」という方もいれば、「ユーザーに離脱されると困るので、UIでは安定性を求める」という方もいます。
それぞれどのような技術を提案するとよいでしょうか?
例えば、前者には効率性に優れている最新技術を提案できます。後者には、UIには安定性の高い従来の技術を採用し、管理者に近いレイヤーで最新技術を導入することを提案できます。
このように、クライアントに合わせて最適な提案をするためには、最新技術も含めて幅広い技術のメリットとデメリットを踏まえて使い分けられるようにしておかなければいけません。
交渉力
開発の途中で、クライアントから仕様の変更や修正を依頼されることは少なくありません。無理な依頼であったとしても「今の時点ではもうできません」と断ってしまうと悪い印象を与えてしまいます。
クライアントに変更理由を聞いた上で、開発現場と擦り合わせ、「ユーザー様に直接目に触れるUIまでであれば、なんとか納期までに変更します。残りの箇所は、随時対応していきます」といった具合に、互いが満足できる妥協案を提示して交渉できると、クライアントからも他のエンジニアからも信頼を得られます。
コミュニケーション能力を高めるには
コミュニケーションの大切さはわかっていても、「人と接することが苦手だ」という方や、「好印象を持たれる話し方や接し方がわからない」という方もいますよね。
そこでここからは、コミュニケーション能力を高めるコツをご紹介します。
これらを意識するだけで、案件に参画するときや転職活動において、そしてクライアントに対しても好印象を与えることができます。
軽視できない基本的なコミュニケーション
これらの中で、いくつできているでしょうか?当たり前のことのようですが、意外と徹底できているという方は少ないかもしれません。
<コミュニケーションの基本チェック>
・明るい声で相手の目を見てあいさつする
・おだやかな表情を心がける
・相づちを打ちながら相手の話を聞く
・報連相を徹底する
・相手と自分の共通項を見つける
エンジニアの方は、他の職種の方から「話しかけにくい」「話が難しい」といった印象をもたれることがあるようです。自分から距離を縮めるきっかけを作るには、特に最後の「相手と自分の共通項を見つける」を意識すると、自然と打ち解けて話やすくなるでしょう。
心がけるだけで印象が変わる!コミュニケーションのコツ
実際に話をするときには、以下を意識してみましょう。
否定から話さない
ITやシステム開発の知識が少ない方の中には、専門知識が少ないがゆえに間違った見解を持っている方もいますよね。
間違いに気が付いたときに、すぐに正そうとしてしまいたくなるかもしれません。
しかし、話を中断されたり否定されたりすると、相手は良い気がしません。まずは、途中で口を挟まず、相手の話を最後まで聞く姿勢を維持します。相手の意見を一度肯定してから自分の意見を言うようにすると、すんなり受け入れられるでしょう。
相手に合わせた話し方をする
エンジニア同士で話をしていると、専門用語を使う機会が多いですよね。ただ、クライアントの中には、IT知識に疎い方も少なくありません。
話しながら、相手がどのくらい知識がある方なのかを見極めつつ、相手が理解できるようにわかりやすく説明する話力を鍛えておくといいでしょう。
要点・結論から伝える
自分の意見を伝えるには、要点や結論を先に話すようにします。 そのあとに、相手の理解度や関心がある点から補っていくように話を広げていくと、相手が理解しやすくなります。
報連相を徹底する
在宅勤務が基本の現場では特に、報連相を徹底する必要があります。 作業に集中していると、つい報告業務がおろそかになりがちですが、随時チームと方向性が合っているか確認しなければいけません。 進捗状況の確認方法や頻度、質問があるときの連絡方法など、事前にチーム内で共有しておきましょう。
まとめ
今回は、エンジニアに必要なコミュニケーション能力についてお話ししてきました。
専門的な職業だからこそ、相手に合わせてわかりやすく説明する会話力や、適切な解決策を提案する力が求められます。また、チームの一員として円滑に開発を進められるように心がけることも大事なコミュニケーション能力といえるでしょう。転職活動や案件面談のときにも、こういったコミュニケーション能力があるかどうかは注目されています。
HORNOでは、フリーランスエンジニアの方に向けて面談対策や相談も受け付けています。「自分はどういった点を意識して話をすればいいのかな?」とか「ちゃんと話のキャッチボールが成り立っているかな?」と不安に思ったら、ぜひ相談してみてください。
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