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AI×VR/ARの組み合わせで生まれるビジネスとエンジニアに求められるものとは

2022/09/15

近年、様々な場面で活用が進んでいる「VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ)」。今後はエンタメ業界だけでなく、医療業界や製造業でも活用されると期待されています。
また、DXの推進や生産性の向上、UI/UXの実現のためにAIの活用も進んでおり、今後はVR/ARとAIを組み合わせて新たなサービスが生まれるとも予想されています。
そのため、AIや機械学習、VR/AR技術の知見があるエンジニアは大変貴重です。

この記事では、実際にAIとVR/AR技術を組み合わせてどんな製品やサービスが開発されているのか、そしてどのような業界で活用され始めているのかを紹介します。
そして、今後VR/ARエンジニアとして長く活躍していくにはどんなスキルが求められるのかについても言及します。VRエンジニアやAIエンジニアとしてキャリアアップしていきたい方や、他のエンジニアと差別化をはかりたい、市場価値を高めたいと思う方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. AI×VR/ARの組み合わせで生まれる「新たな可能性」
  2. AI×VR/ARで新たに広がるビジネス
  3. 今後VR/ARエンジニアの市場価値を高めるプラスαのスキルとは
  4. まとめ

AI×VR/ARの組み合わせで生まれる「新たな可能性」

5Gの発達により、動画やVR/ARを用いたゲームコンテンツなどの品質が向上しています。そしてAIが組み合わさることで、より個人にパーソナライズしたアイテムを提供することが可能になりました。その技術革新をいくつか紹介します。

AI×VR/ARで人間の認知を超える

AIは膨大な量のデータを精査・分析することを得意としています。そのデータを解析し、人間の心に潜むインサイトを発見してそれに応える新たなサービスを展開するきっかけを与えてくれます。VR/ARを用いることで、さらに心に訴えかけるサービスを提供することができます。
現に、「AlphaGo」という囲碁をプレイするAIは既に人間に圧倒的な強さを見せ、新たな手を人間に開示するほどまで進化しています。

また、我々が普段よく目にするYouTubeでは、視聴傾向から推測して新たな動画がおすすめされる機能がありますよね。このYouTubeでは、VR動画を楽しめるコンテンツも誕生しています。今後は人間の不意をつくサービスをAIが提案し、それをもとにVRやARを用いた質の高いサービスを開発することが増えるでしょう。

AI×VR/ARで人間の五感を再現

触覚・味覚を操作して仮想世界がよりリアルに

VRの研究現場では、触覚や視覚操作の研究が進んでいます。

グローブ型触覚デバイス「Haptic gloves」

例えば、HaptX社が開発したグローブ型触覚デバイス「Haptic gloves」は、リアルな触覚を再現しています。

※画像:「Haptic gloves」

VRゴーグルとグローブ型触覚デバイスを装着すると、仮想世界のものに本当に触れているように感じられるものです。肌ざわりや重さ、温度も感じられるので「手のひらに雨粒が落ちる感触」や「動物に触れた感触」などをリアルに再現してくれます。

リアルタイム味覚操作システム

視覚や聴覚、触覚だけでなく、今後は味覚も操作できるようになると言われています。
その一例として、奈良先端科学技術大学院大学や電気通信大学などで構成される研究チームは「リアルタイム味覚操作システム」を開発しています。

※画像:https://shiropen.com/seamless/enchanting-your-noodles

このシステムは、実際にはそうめんを食べているにもかかわらず、ARゴーグルでラーメンやうどん、焼きそばを映すことで、別のものを食べているように思えてしまうもの。
こういったシステムは、今後医療や介護の領域において、体質改善や治療のために苦手な食べ物を食べなければいけないときなどに活用されるでしょう。

AIによる画像認識や音声認識を活用し、様々なデータをもとに行動予測や精度を向上させることができるようになれば、娯楽目的だけでなく、企業向けのトレーニングツールや、デザイナーの制作ツール、医師の手術のトレーニングといった様々な活用の仕方が期待されます。

人間の「全体俯瞰」を活用して生産性を向上させる

人間は目の前の現実を認識するとき、無意識に見えていないところを脳内で予想するので、一部分だけしか見えなくても全体像がイメージできます。
その特徴を利用し、AIが過去の人間分析データから抽出したポジティブな認識を演出すれば、人間はポジティブな意識が生まれ、仕事の生産性を高めることができます。
例えば、「SmartFace」という相手の顔を常時笑っているように見せるテレカンファレンスシステムが構築されています。これを使うと、ブレインストーミング(※)において通常よりも多くのアイデアが出ることが示されています。

※ブレインストーミング:ある議題について新たなアイデアを出したいとき、複数人が集まって自由に意見を述べる方法。

AI×VR/ARで新たに広がるビジネス

AIとVR/ARという最先端技術を組み合わせることで、よりユーザーにパーソナライズしたサービスへと活用の幅が広がります。

新たなUXの実現に

エンタメ業界以外で、VR/ARはどのように活用されているかご存じですか?
例えば東京国立博物館では、ARグラスを装着すると案内役がホログラムとして表示され、展示物の紹介や道案内をするというサービスを提供しています。
また、先述のYouTubeのように、ユーザーの好みをAIによって分析し、パーソナライズしてからVR/ARを用いて動的なデジタルコンテンツを提供することもできます。それにより、ユーザーは情報を実体験として受け取ることができます。
このようにAIとVR/ARを組み合わせると、ユーザーに「使って楽しい、心地よい、新しい体験」を提供することができ、UI/UXを充実させることができます。

AI×VR/ARのノウハウもビジネスに

今後、AIとVR/ARを組み合わせた新たなサービスが作られていくにつれ、様々な業界で導入する企業が増えていくと予想されます。しかし、どちらも高度な技術になるため、ノウハウを有する外部企業やエンジニアに導入を依頼する企業も多いでしょう。

実際に、VRコンテンツを広告市場に導入できるサービスを提供している企業も存在します。例えば、株式会社 Alphaでは、3D素材をリアルタイムで配信できる独自の広告プラットフォーム「3D AD」を開発しています。これは、3Dグラフィクスによる動的でリアルな世界観を表現し、ユーザーの動きに呼応する挙動も可能にしています。そしてこの広告は、機械学習をベースにした配信アルゴリズムによって最適なユーザーに配信される仕組みになっています。
このように、今後はVRの浸透に伴い広告市場でも画期的な成長を見せると予想されます。

AI×VR/ARは様々な業界で活用される

医療・介護での活用

医療業界では、電子カルテの管理などのクラウド化やAIの活用が進んでいますが、「デジタルサイボーグ」という新しい医療へと進化が続いています。デジタルサイボーグとは、人間の行動をAIに学習させ、VRやARに落とし込むことで人間の動きを補助、あるいは拡張する機能をもつことです。
例として、グーグルグラスやスマートウォッチのようなウエアラブル機器が挙げられます。
Googleの元社員らが創設した米国企業のウエアラブル・インテリジェンスは、通信機能をもつグーグルグラスを開発しています。グーグルグラスを付けると、例えば救急隊員が脳梗塞で倒れた患者の個人情報をいち早く入手し、適切な治療を行うことができます。

そして、今後は「ウエアラブル(装着)」から「インプランタブル(埋め込む)」へ進化するとされています。
代表的な例として、AppleやAmazon、Google出身のエンジニアが創業した米国企業Mojo Visionのスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」があります。

※画像:Mojo Lens

このレンズにはマイクロLEDディスプレイを搭載しており、無線通信機能で視線追跡を行い手を使わずして視線のみの操作を実現したり、デジタル情報を視界に表示したりすることを可能にしています。このレンズを装着することで、視覚に障害をもつユーザーの不自由を軽減するという効果や、スポーツの分野でトレーニングの効率を上げるといった効果が期待されています。

そして将来的には、ナノ単位のロボットを脳に埋め込み、人間の知能を向上させたりVRの世界に完全に没入させたりすることもできると言われています。「AI=人間ではない他者」だったものが、体内に取り込まれ「AI=人間の一部」として人体の限界を超えるものとなり、ますます開発と導入が進むでしょう。

製造業での活用

製造業でも、AIとVRを組み合わせた技術の活用が進んでいます。
例えば株式会社ObotAIは、工場にVRを活用し、次世代チャットボットが業務をサポートするシステムを提供しています。このシステムにより、リモートで複数の工場の稼働状況を維持管理でき、起こりうる設備の故障を予測し予防保全を行うことができます。
また、従業員教育もVR空間で実施できるため、外国人スタッフに対しても多言語対応機能により、言葉の壁があっても教育が可能になります。
そしてVR研修を行っている間の従業員の行動をAIで解析することで、今後の人材育成に活用できます。さらに技術が進歩すると、今後はAIが生産計画を立て、その計画に従って全行程をロボットが自動で行い、物の運搬や搬送も自動運転で対処することも予想されます。

今後VR/ARエンジニアの市場価値を高めるプラスαのスキルとは

日本ではVR/ARは最先端技術として特にゲーム業界で注目を集めているものの、欧米に比べると我々の日常生活まで浸透しているとは言い切れません。そのため、VR/ARエンジニアは様々な業界での導入を促す取り組みが重要になってくると言えます。

AIやVR/ARでUXを高めるデザイン感覚

今はデザイナーでなくてもユーザーのUXを充実させられる「デザイン感覚」が求められます。 特に開発の現場では、現段階ではエンジニアとデザイナーがチームを組み、相互に補完しながら仕事を進める場面が多いと思いますが、今後3D空間内でUI/UXを実現させるとなると、相互間の擦り合わせが難しくなっていきます。
エンジニアがデザイン感覚をもってデザインや機能を空間に表現することができれば、チームで認識の相違は生まれにくく、生産性が上がります。
これからは、どの職種においてもUXを高めるデザイン感覚が求められる時代になります。

新しいものを生み出す企画力とそれを広める影響力

これからは、企業それぞれの特長とAI・VR/ARを組み合わせ、ビジネスに結び付けられる企画力が求められています。
どんなに最新技術に詳しく、最先端の技術を搭載した製品を生み出すことができても、それをユーザーに必要なものとして認識されなければ自己満足に終わってしまいます。
突飛なものを生み出す独創性より、既存のものに付加価値を持たせて他社と差別化できるものを提案できることの方がビジネスにおいては重要です。
そして、時には予想もしなかった異業種とコラボレートすることもあります。そういった事業を始めるとき、周囲を巻き込んでプロジェクトを成功に導く統率力や説得力、そしてコミュニケーション能力が無いと、社内や仲間の賛同や理解を得られず成功しにくいでしょう。

技術の進歩に好奇心をもって取り組めること

VR/ARエンジニアの仕事は、「制作する」という観点ではデザイナーと似ていますが、2Dではなく3Dというリアリティのあるコンテンツを制作するため、細かく調整する点がたくさんあるため、高度な技術を扱うことになります。
そしてAIも進化が早く、誰も使用したことのない技術を実務で活用する場面も少なくありません。不具合が生じたときには、手探りで原因を究明する必要があったり、学ばなければならない技術が膨大なので、苦労も多いでしょう。
そのため、先端技術に強く興味があって独学も苦にならないこと、そして「技術を用いてユーザーのUI/UXを向上させたい」という想いが強いことがVR/ARエンジニアとして長く活躍していくために必要でしょう。

まとめ

今回は、AIとVR/ARを組み合わせて新たに生まれるビジネスについて、そしてVR/ARエンジニアが市場価値を高めるために必要なプラスαのスキルについてお話ししてきました。
日本では、AIやVR/ARはまだまだ黎明期ともいえます。今後は医療・介護業界、農業・漁業、物流・インフラ業界において技術を積極的に活用することで現場の負担を軽減し、生産性・効率性をUPさせることが期待されます。VR/ARエンジニアには、技術に貪欲な姿勢をもち、ユーザーのUI/UX向上に結びつく企画力が求められるでしょう。
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