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「年齢を重ねているエンジニアは貴重な存在」タイガースパイクインタビュー【後編】

人に寄り添うデジタル・プロダクトで体験をデザインする、グローバル企業「タイガースパイク」。お話を伺うと、クライアント・社員・フリーランスエンジニア全てが「チームのメンバー」であるという認識のもと、1つのチームとなって目標に向かう姿勢が印象的でした。
タイガースパイクが定義する「プロフェッショナル」には、技術と同じくらい大切な”あるスキル”があり、「IT業界でこれから重宝される技術とは」「新しい技術への選定基準とは」そして「フリーランスエンジニアが真の意味で成長を続けるには」など、エンジニアにとっても貴重なTIPSが込められていることがわかりました。
エンジニアとしてさらなるレベルアップを目指す方や、どんな場所でも常に活躍できるエンジニアになりたい方はぜひ参考にしてみてください。

Tigerspike株式会社
タイガースパイクは、人に寄り添うデジタル・プロダクトを開発するグローバル企業です。
洗練されたUXアプローチと最先端のモバイルテクノロジー、独自の合意形成ノウハウを組み合わせて本物のデジタル・プロダクトを提供できる、世界でも数少ないプロフェッショナル集団です。世界12拠点で展開中。

エンジニアに求められる2つのコミュニケーション能力

ーフリーランスエンジニアの方に求める人柄や人間性といった意味では、どういうものを求められますか?

必要なタイミングで自分から質問してくれることですね。「この画面のここを変更、コードのここに追加をして…」といった部分までを説明しなくても、「こういうことを達成したい」と課題とゴールをお伝えすれば、だいたいのプロジェクト内容を理解し、欠けている情報や決める必要がある部分について必要なタイミングで質問しながら手を動かしてくれる方はすごく頼りになりますね。
そういった質問をせずに、出てきたものが全然違うとなってしまうと、お互いにとって不毛です。そんな状況を回避するためにも、「質問する力」は絶対必要だと考えています。

ーそういった「コミュニケーション」の部分は大切ですよね。

そうですね。コミュニケーションに関していうと、うちはチームで開発するのでチームメンバーとのコミュニケーションも大事です。
特にそれが顕著に現れるのがコードレビューのときです。
書いたコードを互いにレビューし合うことがよくあるのですが、そこで「こんなコードは良くない」と否定的なコメントで議論が白熱してしまったり、「この方が良い」と背景の説明なしに変更コードがいきなり送られてきてチームの雰囲気が険悪になる、というのはチーム開発でよく起こる問題ではないでしょうか?

ーそんな力技みたいなこともあるんですね…!

実は…あるんです。
それをされたエンジニアが気を悪くしてモチベーションを下げてしまうと、チームが成り立たなくなってしまうので、チームをリードする立場が一番懸念することでもあります。

もちろん、コードの良し悪しも重要ですし、パフォーマンス上致命的な問題があるとか、バグがあるとかは問題ですが、そうでない個人的な好みも生じやすい部分でもあるわけです。そこをどう折り合いつけていけるかっていうのは重要です。
それには、Googleが出しているチームについての本(『Team Geek――Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか』)に載っていた「HRT(Humility Respect Trust)」、特に「リスペクト」、これが非常に大切ですよね。
皆それぞれが、ベストを尽くして最善と思われるものを書いています。時間の経過によって現状とマッチしないことはあるかもしれないけれど、そこにはそのコードを書いた段階でなにか理由があったはずです。なので、まずは今あるコードやそれを書いた人を尊重する姿勢が必要だと思います。
コードとして良いものを目指すのはエンジニアとして善ですが、あくまでチームで開発を進めていくので、互いのメンバーへのリスペクトは意識していないといけません。
いくら技術レベルが高くても、誰かが周りの方を尊重するスタンスが欠けているとチームが壊れてプロジェクトが失敗する、なんてことになりかねませんので。

ースキルが高い方の中には、周りの方にも同じレベルを求めてあたりが強くなってしまう方もいるようです。

そうですね。実際、そういった背景で現場を転々としている方はいると思います。経歴書を見ると短期間の契約ばかりだったり。必ずしもそれだけが問題だとは限りませんが、チームメンバーとのやりとりやコードレビューでうまくいかなかった、というケースは多いのではないでしょうか。
解決策としては、周りもレベルが高い現場を探し続けるか、1人でやる案件を受けるとかですかね…。ただ、1人でやるとしてもコードレビューはしてもらえず技術的な評価は得づらいので、エンジニアとしての成長は感じづらいかもしれません。

それに、本質はそこではない気がします。
どのレベルであってもソフトウェア開発にいろんなやり方があるのは確かだし、どこに行っても他のメンバーと意見が対立してしまうことはあります。その時は、技術的なものよりも、HRTのような互いにリスペクトしあう振舞いみたいなものを身に着けた方が、エンジニアとしても幸せになれる気が僕はしますけどね。

ー実際に、技術的な面では問題が無くても、周囲の方とうまくやりとりできなくて短期で終わってしまう場合も多いですね。

そうですね、むしろ技術的な面でいうと、ある程度実務経験がある方なら「全くできませんでした」なんてことはあまり無いです。例えばモバイルでいうと、高度なカメラ技術があります、だとかCI/CDで開発フローの効率化ができます、といったアディショナルな技術があれば魅力とはなりますが、チームメンバーとして活動できることの方が大事です。

市場価値の高いエンジニアになるには

ー実際に、業務委託の方を選定するときは、どういったポイントで見ていらっしゃいますか?

開発でも保守でも、コードを書く時間は長いんですが、コードを読む時間も長いんですよ。なので「あまり仕様がはっきりしていないものを、読み解きながら開発した経験があるか」は気になりますね。
いちから開発する新規開発と比べて、既存のものを壊さずに、しっかりとしたクオリティーでリリースし続けるためには一定の技術が必要になります。
チーム開発の中で、誰かが書いたものを読むとか、それを読み解いて適切に改修をしていく経験の有無は重要ですね。

ーいちから作る難しさもありますし、既存のものに手を加える難しさもありますよね。

アプリでもWebでも、初期リリースまではガッツがあれば乗り切れるところがありますが、「既にリリースされているプロダクトをさらに発展させていきたい」状況のクライアントも多いです。
世の中にあるサービスは新規開発だけでなく、既にあるものをもっと良くしていく保守や改修案件が大半になりますしね。

ーエンジニアの中には「自分はtoCの新規開発しかやりたくない」という方もいらっしゃいますよね。

どこかの領域に特化したければどこにいくにしろ「とがる」必要はあるので、例えばtoCの新規開発の案件に特化していきたいならそこを極める必要があります。
「iOSとAndroidを同時に効率よく開発するなら、技術的にはFlutterやReact Native、NoCodeが選択肢にあるかも」とか、「バックエンドをノンマネージドで進めるためにFirebaseも習得して、自分は誰よりも早く、バックエンド込みでモバイルを作れるようになる」といったように、人よりとがる部分を作れたら価値があると思います。

toC・新規開発のような業務的に特定の領域に特化したければ選択と集中が必要だと思いますし、技術を軸に深く掘っていきたいのであればtoC・新規開発、といった限定の仕方はキャリアの幅を狭めてしまうと思います。

ーやりたいことと自分のスキル、そしてクライアントが求めるものの間で整合性が無いと厳しいということですよね。

まさにそうですね。フリーランスは、必要としてくれるクライアントがいて成り立つので、例えば、3か月以内にリリースが求められる案件なら、それに合わせたスピード感がわかるスキルセットがあれば魅力的に映るだろうな、といった具合に「クライアントが求めていることは何か」を考えた方がいいと思います。
だいたいこの単価ならこれくらいの業務ができてほしい、といったテーブルは明示されていなくともクライアントはそれぞれの中でもっていると思います。自分がどのくらいの枠にいて、次のレベルに行くには何が足りないのかといった客観的な視点が求められますよね。
ただ、それをどうやって知るのかは難しいかもしれません。スキル判定とかしようがないですし。

ー弊社では、定期的にクライアントにフィードバックシートを頂き、フリーエンジニアの方が自分の客観的な見られ方を知る機会を増やそうと思っています。

弊社もクライアントワークなので、最後にクライアントに頂くアンケートが重要な指標にはなります。ただ、それが直接的にサービス改善につながるか、といえば必ずしもそうではないかもしれません。日常のクライアントとのやりとりから自身で改善を考えられることが重要だと思います。

タイガースパイクではフリーランスの方も社員と同じようにチームのメンバーだと思っているので、隔週くらいの頻度で1on1で「最近どうですか?」といった振り返りの機会を設けています。
関わるのがテンポラリーであるとしても、弊社のように「メンバーの一員」という見方をしている会社では、リアルなFBがもらえると思います。開発しながらもタスクごとに細かくアウトプットをしFBをもらいつつ、学んでいくということができますしね。

ーそういう体制を整えて下さっているところは大変貴重ですね。

フリーランスの方に業務を丸投げすることはありません。僕がリードとしてプロジェクトの責任をもち、エンジニアにはチームの一員として活躍してほしいという思いがあるからです。
エンジニアの方々を「手を動かす力」として捉えている環境では、そういったFBを得ることは難しいと思います。ただ、コミュニケーションが苦手という方や、ミーティングがストレスに感じてしまうエンジニアの方々にとっては、弊社のような環境はフィットしないかもしれません。

魅力的なスキルシートの条件とは

ー評価を次につなげていく意味でも、スキルシートや経歴書の書き方も重要です。スキルシートで目をひく、逆に見る気がしなくなることなどありますか?

ひたすら技術スタックが並べてあるものは、あまり見てもなぁという気はしますね。
また、プロジェクト全体の説明がいろいろ書いてあったとしても、全部を担当したわけではないよね?とも思います。そういう場合はよくわからないからやめとこうか、となってしまい、もったいないと思います。
知りたいのは「そのプロジェクトの中で何をやっていたか、どんな役割をしたか」です。

ーアピールポイントがはっきりわかる、ということですね。

そうですね。大量のレジュメを頂くので、最初のスクリーニングで1人のレジュメを読むのにかける時間は非常に短いです。なので、直近に関わったプロジェクトを2つや3つでいいので、プロジェクトの規模感やどんな仕事をしていたか、そして注力したポイントなどがわかるとありがたいです。

ー関わったプロジェクト自体についてはどうですか?

例えば「CtoCサービスのiOSアプリ」程度で十分ですね。
「プロジェクトマネージャー1人とiOS1人Android1人でやっていました」というようなチーム編成が書いてあると「iOSは1人で任されていたんだな」とわかります。その中で「新規機能を5個作りました」とか「ユニットテストを書きました」といった仕事の内容が書いてあるとイメージしやすいですね。

ー苦労した点や工夫した点を記載する方もいらっしゃいますが、それはプラスになりますか?

読むかもしれませんが、それなら「主要な押しポイント3点」のようにサマリーが冒頭に記載されている方がパッと目を引きますし、どこが売りで何が得意かがわかりやすいですね。

ー「この単価ならここまでできてほしい」というラインについてはいかがでしょうか?

「アプリが作れます」や「バックエンドができます」といったレベルより一歩抜けないと、 一定以上の高単価を目指すのは厳しいと思いますね。
段階的には「抽象度の高い課題をお願いしただけでは一度では期待通りのアウトプットにはならないけれど、何度かやりとりしていけば開発を任せられる」というライン、「ある程度ざっくりした課題を渡せば質問しながら開発してくれて、バックエンドでいうとトラフィックが激しくても効率的なものを書けるなど、技術的にも難易度が高い部分を任せられる」というライン、そしてもっと上に行くと「フレームワークのバージョンを上げたり、まだノウハウが溜まっていない新しい技術の知見があるなど、チームの開発効率を上げるような基盤を作れる」というライン、のような感じで上がっていきますかね。
2つ目のラインを超える方は少ないので、そこをまず超えることを目指すと良いかもしれません。
一方でスキルレベルの高い方の場合、週5で機能を作ってもらうのではなく、週3ほど入ってもらい、3~6か月の短期間でお願いするケースもあります。

ー全体にアプローチできるレベルまでになると、名の知れた有名エンジニアになりますよね。エージェントも要らないくらい(笑)。

日本のエンジニア業界は狭いので、なんとなくSNS上では繋がっていることが多いですね。ただ、そういう方でも中には営業活動の一環として、あらゆるエージェントに登録している方もいるようです。いろいろな営業チャネルを持って活動されている方は実は多いのではないでしょうか。

ーそうなんですね!継続的に高単価で仕事を続けるには、そういった努力があってこそ、ということですね。

取材を終えて

話を伺っていると、「エンドユーザーが求める体験を届けたい!」という目標に向かって徹底的にプロダクトに落とし込んでいく熱意が印象的でした。
だからこそ、フリーランスエンジニアも社員と同様にひとつのチームメンバーとして、互いにレベルアップを目指していく体制が自然と整っているのでしょう。
フリーランスエンジニアが高単価で、かつ長く活躍し続けるために「チームメンバーの1人」として向き合ってくれる会社の存在は大変貴重です。
最新技術をキャッチアップし続けていること、プロジェクトを俯瞰的にとらえて積極的に質問できる力、そして互いをリスペクトし合う「HRT」の考え方、全てがエンジニアにとってはなくてはならない要素です。
それをコツコツと続けた先に「50代60代になっても必要とされる貴重なエンジニア」として活躍していけるのかもしれませんね。

取材を通して、キャリア形成の仕方やスキルシートの書き方など、エージェントとしても多くのことを学ばせて頂きました。 フリーランスエンジニアの方にとっても、今後キャリアアップしていく上で参考になれば幸いです。
取材に快く対応してくださったタイガースパイクのTech Lead高松さん、貴重なお話をありがとうございました!

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