フリーランスエンジニアの勤務体系は?労働時間・年収を徹底比較!
2022/09/09
働き方改革や副業ブームが進む中、エンジニアであれば一度はフリーランスになってみようと考えたことがある方も多いのではないでしょうか?
最近では「自由な時間とお金の両方が手に入った」とか「憧れの土地に引っ越した」という声が聞かれますが、正社員や派遣として働く場合と具体的にはどのように違うのでしょうか。
この記事では、フリーランスエンジニアと正社員・派遣社員エンジニアの勤務体系や収入の違いについてわかりやすく解説します。
フリーランスのメリットデメリットについても触れるので、これからフリーランスエンジニアを目指す方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
フリーランスエンジニアの実態・現実
エンジニアは、主にフリーランス・正社員・派遣社員と3種類の働き方があります。
フリーランスエンジニア
フリーランスエンジニアは案件ごとに動くため、常駐で働く場合や成果物の納品までを請け負う場合など、取り決めがクライアントごとに異なります。働き方が多種多様にわたるため、契約時の確認事項を徹底しておかないと、予想外のトラブルに巻き込まれることがあります。
例えば、あらかじめ書面で契約内容を残しておかなった場合、予想より多くの工程数を要したにも関わらず、追加の作業に対しての報酬はなされなかったということも。不要なトラブルに巻き込まれないためにも、契約の際は十分注意しましょう。
収入面では、フリーランスは社会保険や福利厚生などを負担しなくても良い分、正社員に比べて年収は高い傾向にあります。また、技術の高い方が独立してフリーランスになっていることも平均的に報酬が高い要因でもあるでしょう。
正社員エンジニア
正社員のエンジニアは、給料から保険料などを引かれることや会社の年功序列の影響を受けることなどが理由で、フリーランスに比べると手取り年収が下がる傾向にあります。
また、会社内のいろいろな雑務も兼務することが多いため、エンジニア以外の業務も任されることがあります。
派遣エンジニア
エンジニアとしての働き方には、派遣社員として登録するという方法もあります。
派遣社員は、実務経験が少なくても対応できる案件が多いため、他の働き方と比べて報酬は下がりますが、社会保険が適用されることもあるといったメリットがあります。
実務経験を積むためや、未経験の技術を学びながら業務に携わりたい場合など一時的に派遣として勤務するなら良いでしょう。
フリーランスエンジニアの勤務体系
ここからは、フリーランスエンジニアの主な働き方である「常駐型」と「リモート型」について解説します。
常駐型
常駐型とは、エンジニアがクライアントの職場に出向いて、定時で仕事をする働き方です。
月間の労働時間は、一般的な正社員と同じく1日8時間×20日=月160時間ほどが基本となります。週2、3日や週3、4日出勤といった仕事もありますが、週5日のフルタイム勤務が大半となります。
リモート型
リモート型では、常駐型のような時間単位での清算だけでなく、納品した成果物の単価で報酬を受け取る請負型もあります。
プログラマやWebデザイナー、コーダーといった手を動かす作業をメインとし、1人で実装まで完了させる案件も多いので、クラウドソーシングを活用して副業としてエンジニアを始めたい方にもおすすめです。
このように、フリーランスエンジニアは自分で働き方を選ぶことができます。自分自身の体力やライフスタイルにあわせて労働時間や収入をコントロールできるのもメリットといえるでしょう。
フリーランスで仕事の効率を上げる方法
では次に、フリーランスエンジニアが効率良く仕事をするにはどうすれば良いかを紹介していきます。
仕事のスキルを高める
変化の早いIT業界では「このスキルを保持していれば絶対安泰!」というものはありません。自分のスキルに満足せず、今後どんなスキルが求められるのか、注目されている言語は何か、といったトレンドや需要に詳しくなっておきましょう。
エンジニア向け情報サイトの『DevelopersIO』や『Qiita』には、様々なエンジニアが実際に使った言語やフレームワークなどについて情報公開しています。
「自分の技術がトレンドにキャッチアップできているか」を確認したいときや、独学で疑問点が生じたときに活用できるのでおすすめです。
自己管理を徹底する
案件ごとに仕事をこなすフリーランスは、正社員以上に体調管理やスケジュール管理を徹底しなければなりません。
万が一病気や事故にあった場合や、案件が受注できなかった場合に備えて、フリーランス向けの保険に加入しておいた方がいいでしょう。
また、スケジュール管理が苦手という方は、Googleカレンダーから気軽にタスク追加できる『Google ToDo』やカンバン方式に特化していて週ごとのタスクの管理に適している『Trello』といったツールを活用してみてください。
クライアントからの信頼を得られると次の案件受注につながることもあります。自分の体質や性格に合わせて、質の高い仕事ができたらいいですね。
フリーランスエンジニアの年収
ここからは、フリーランスエンジニアと他の働き方の年収の違いについてお話ししていきます。
フリーランスと正社員の年収を比較!
ITエンジニアの平均年収は一般的な営業職や事務職よりも高い傾向があり、フリーランスでは30代で1,000万円台を超える方も少なくありません。
高収入を得るエンジニアは、コードを書くプログラマーの仕事だけではなく、PMとして業務全体を管理できるプロデューサー的な役割を果たすエンジニアである傾向が高くなっています。
下記が、比較的能力の高い経験豊かなシステムエンジニアがフルタイムで勤務した場合の年収比較です。
【エンジニアの雇用形態と年収目安】
- 雇用形態
- 収入の目安
- フリーランスエンジニア
- 600~1,000万円
- 正社員エンジニア
- 500~800万円
- 派遣社員エンジニア
- 450~700万円
※参考:IT人材白書2020・クラウドソーシングサイトより
同じ業務内容でも、フリーランスで働く場合が最も高収入を目指しやすいことがわかります。
フリーランスエンジニアの年収を上げる方法
人材不足によって企業のエンジニアの内製化が厳しくなっている今、フリーランスエンジニアは高単価な案件を獲得しやすい傾向があります。ただ、高単価の仕事を安定して受注するためには、フリーランスエンジニアとしてのスキルアップが欠かせません。
自分のキャリアの棚卸しをしつつ、キャリアプランを立てて実務経験を積むほか、興味のある分野に関して積極的に情報収集・独学を進めることが収入アップには不可欠です。
また、面談で自分を売り込む営業力・コミュニケーション力がある方や、クライアントの課題を解決する問題解決能力に優れている方は高収入を目指せるでしょう。
フリーランスエンジニアに必要なスキル
フリーランスエンジニアは、プログラミング以外にも必要なスキルがあります。
5つのスキルセット
エンジニアとしての実務経験
正社員や派遣社員を経ずに、いきなりフリーランスエンジニアになるのは難しいでしょう。
Web開発企業などで開発や設計、運用、管理など様々な業務を経験しながら「自分はフロントエンジニアとしてやっていきたい」「インフラ分野をもっと極めたい」などと方向性を選んでいきましょう。
自己管理能力
フリーランスエンジニアは、「今あるスキルでできる仕事」や「報酬」だけで案件を選ばず、自身のキャリアプランを元に案件選びをしていく必要があります。
またフリーランスになれば、請求書作成・発注・入金、経費の領収書管理など、本業以外にもしなければならないことが増えます。フリーランスになる前に、ある程度の知識をつけておきましょう。
コミュニケーション能力
フリーランスエンジニアになれば、黙々と作業していれば仕事ができるという印象が強いかもしれません。ただ、案件を請け負う際には、営業力や交渉力が求められます。
また、クライアントによってはエンジニアが主軸となって期日や最終目標を擦り合わせながらプロジェクトを進める場合がありますし、常駐案件の場合は、各企業に根付く会社の環境や文化に順応していく必要があります。
論理的思考能力
課題解決のためにはロジカルな思考で仕事に向かわなければなりません。まだ若くて経験の浅いうちは先輩エンジニアにリードしてもらうこともできますが、いつまでもそのままでは収入アップは望めません。 フリーランスに求められるのはあくまで即戦力なので、年齢に関係なく、様々な課題を自ら解決する能力を身につけることも必要です。
学習能力
IT技術の進化は早く流動的なので、自分で積極的に情報収集・独学を進めていく必要があります。業務以外にも、1日5時間以上を独学に費やすエンジニアも少なくありません。
新しい技術に関心が強いこと、自分でどんどん手を動かしてみたい、という意欲が強い方でないと、スキルアップは難しいでしょう。
コミュニケーション能力をアップさせるには
エンジニアに必要なスキルセットを見て、中には「人柄に自信がない」「人に好かれたくてもどうすれば…」などとコミュニケーション能力に不安が残る方もいるかもしれません。
勉強会などのイベントや異業種交流会に参加して人との交流に慣れておくといいでしょう。
また、面談の際には自分なりの意見をきちんと述べられるかどうかも重要です。以下は、実際の面談でよく聞かれている質問です。自分なりに具体的に答えられるようにしておきましょう。
「今まで関わったPJにどんな風に取り組まれましたか?また、自ら提案されたことはありますか?」
「現場でどういった理由でアーキテクチャ選定を行っていたか分かりますか?」
「普段、どんな自己学習をしていますか?参考にしている書籍や情報源は何ですか?」
今ある技術だけで満足せず、自主的に技術に関する知見を深めていること、プロジェクトへの自分なりの関わり方について、きちんと自分の言葉で言えるだけでも印象は変わります。
スキルシートの内容の相談や面談の練習相手として、エージェントを積極的に活用しましょう。
フリーランスエンジニアのメリット・デメリットとは
ここまでフリーランスエンジニアの勤務体系や年収、必要なスキルについてお話ししてきました。フリーランスに転身したら、収入がアップすること以外にもメリットがあります。
また、デメリットも紹介するのでフリーランスになる前に確認しておいてください。
フリーランスエンジニアのメリット
自由な時間が増える
案件ごとに動くフリーランスエンジニアは、時間を自由に使えることも大きなメリットです。
案件の切れ目でまとまった休暇を取ることもできますし、煩わしい人間関係やお付合いもしなくて済みます。その分、自分の趣味や家族との時間にあてられるのは大きな魅力です。
仕事の幅が広がる
会社に属していて同じ言語しか扱う機会がないと、いろいろな技術を扱いたい方は不満に感じますよね。フリーランスになれば1つの会社に縛られず、希望の技術を使用する案件を選ぶことができます。
また、エンジニアの経験を活かしてライターを始めたり、全く違うデザイン関係の仕事を始めたり、と仕事の幅を広げられるのは大きなメリットです。
経費の計上で節税ができる場合がある
個人事業主や法人として登記・設立すると、様々な仕事に掛かる費用を経費として計上することができ、正社員の頃よりもある程度、節税対策ができます。
ただし、これまでの確定申告ではなく決算の手続きをすることが必要です。
好きな環境で働くことができる
「フルリモートの案件で働きたい」「週に出社できる回数が限られている」という場合でも、フリーランスなら希望に合った案件を選んで働くことができます。
リモート可能でも「遠方からの参画はNG」「定時は規則通りに」といった制限は残る案件も多いとはいえ、自分のライフスタイルを優先できるというメリットは大きいでしょう。
フリーランスエンジニアのデメリット
フリーランスになるとメリットがたくさんある一方、デメリットや注意しておきたい点もあります。
社会的信用が落ちることも
フリーランスになると、好きな働き方ができる一方で、会社という信用や後ろ盾を失うことにもなります。
フリーランスになってからも正社員の時に付き合いのあった取引先と仕事ができるという保証はありません。
フリーランスになる前にエージェントに相談して単価の見積もりをして、自分の市場価値を見極めることが大切です。
収入が安定しない
フリーランスになったからといって、必ずしも収入が上がるという保証はありません。営業力・スキル不足で仕事がなくなるケースもあります。
正社員のころにあった失業保険や労災、福利厚生等も使えなくなるため、フリーランスになる前に、フリーランス協会の保険に加入しておく、万が一無収入が続いても一定期間は生活できる位の貯金をしておくといった対策をしておきましょう。
税金・保険処理を全て自分で行う必要がある
フリーランスの方なら誰もがぶつかる税金・保険問題。
今まで会社がやってくれていた、源泉徴収や住民税納税といった納税関係も全て自分で行わなければいけません。
ほかにも社会保険だったのが国民健康保険に、厚生年金は国民年金にかわり、保険料も割高になります。売上額が高いほど支払う税金も高くなるため、節税対策もしっかり行う必要があり、確定申告の手間もかかります。
独立すると個人事業主になるので、本業以外にやるべき業務が多いのが、大きなデメリットです。
まとめ
いかがでしたか?フリーランスには興味があるけど、具体的にどのような行動をすればよいのかがわからない。そんな方も多いのではないでしょうか。
今のスキルではどんな仕事ができるんだろう?必要なスキルは?など疑問に思ったことは、ぜひ一度エージェントに相談してみてください。
フリーランスエンジニアの需要は右肩上がりなので、きちんとスキルアップを重ねれば独立することは難しくありません。
他の記事では、フリーランスエンジニアのスキルアップ方法や必要なスキルについて詳しく特集しています。興味がある方はぜひ読んでみてくださいね!
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